25年ほど前、よく通ったお店がありました。
多かったときは一年の内300日以上。
2日行かなかったら「久しぶり!」って言われたそのお店は、
木屋町にあったジャズ喫茶Jeruというお店。
今思えば、家から約1時間かかるのによく通ったものです。
そのお店の実体は喫茶というにはほど遠く
常連の人たちは「今日の“お造り”なに?」とか「焼き魚で定食頼むわ」とか
勝手気ままな客と、 「毒」の強いマスターとのかけあいが絶妙で
微妙な瞬発力を必要とする一種の緊張感の中で繰り広げられるドラマがたまらなくおもしろく、行けない日がたった一日でもあると残念で仕方ないのでした。
そのお店、常連さんたちの色彩が実に豊かというか個性的すぎなのに
一般的にいう「突拍子もないやりとり」が至って自然かつ普通におこなわれているのでした。
そのお店に流れていたBGM、
いわゆる当時のjazz喫茶だからといって単に懐古趣味ではなく、新しいジャズがいっぱいあって、BGMからも刺激を受けて物事の本質を見極めようとするかのような雰囲気があったのでした。
でもしかし、その空間にいる「人」そのものによって色んな意味で極端に雰囲気が変わったり、まるでライブを見ているような感じで興味深々だった当時の私としては「たとえ20分でも!」とその空気を感じたく毎日通ったのでした。
jeruのマスターとご家族そして常連さんにはとてもお世話になりましたし本当に懐かしく大切な思い出です。
ほらほらは全然違うコンセプトの店なのですがたまに当時のjeruの常連さんが来てくださいます。
数回当時のjeruを思い出させるような雰囲気になって懐かしく色々こみあげてくるものがありました。
私なりにjeruで学んだこと。
良いモノを見極め、新しいモノに挑む・・・
それがマスターの意図したことなのか?全くわかりませんがどうでもいいんです。
自分ではそう思い続けたい!
・・・そこまで思わせる店だったからこそ毎日通いたかったのかと・・・。
そうんなふうに考える今日このごろです。