昨日、かつて【明るい廃墟】といわれたショッピングモールへ行ってきました。
演奏とPA(音響)担当で。
このPAというのは奥深くて考え方次第で本当に色んな作り方があるものです。
演奏者の音が素材、会場が器、PAが味付け、そんな感じかな?
このセッティングで年に2~3回やっているのですが毎回新たな発見があり、毎回新たな課題が見つかります。
でも私が使えている機能はフルスペックの内一割くらい。たぶん。
まさに音作りのパターンはいっぱいあって料理と大変似ていると思うんです。
コッテリ系もあっさり系もできるし、何をメインにして何を裏方にするか
そして一見裏方のような素材に全体に無くてはならないパンチを効かせたり。
ここで結構問題になるのが客席で聞こえる音とステージ上の位置によって異なる聞こえ方。
出来上がった料理と、下ごしらえ状態の素材それぞれ単体の味の違いみたいなものかな。
随分前によく似た音響機器を自前で持っていたこともあって色んな実験をやってきたのですが自分のイメージする音を短時間でつくるのは至難の業で、ましてや他の人のイメージする音を作り上げるのは困難を極めます。
昨日はショッピングモール内の吹き抜けになった広場だったので元からある程度残響があり営業中の各テナントさんの業務に支障が出ない音量でなければならず、でもお客さんにわかりやすく説得力のあるサウンドでないといけないという状況。
昨日の私のイメージでは、『オシャレなお皿に盛りつけた彩り豊かなカルパッチョ
』という雰囲気にしようかと。
各演奏者の生の音を活かしつつ素材ごとに適度な下味をつけて輪郭を出したり、全体の調和の柱となる部分にはそれとなくパンチを効かせ、メインのボーカルとソロ用マイクには薄い塩コショウの下味と風味豊かで適度にコクのあるソースからませる感じ。
料理でもPAでも全体の調和がとても大事で、〇〇が聞こえにくいからレベル上げて!って各人から言われるままに音量を上げると全体として統一感の無い無茶苦茶な
モノになりやすい。
いわば一つの料理の味付けに複数の人が好きなように【付け足す】感じ。
なので〇〇が聞こえにくい理由を考え、〇〇の音質を際立たせたり、キャラのかぶる他の素材の存在感を下げたりして調整したり。
まさに料理そのもの。
今度はもっと演奏者がよりよい演奏をしやすい環境づくり・・・素材が素材自身で美味しくなろうとする環境・・・そんなことを目指したいな~と思った次第。